建築・工事で重要な役割「現場監督」
住宅の工事において重要な役割の現場監督についてご紹介いたします。
現場監督の仕事は主に「工程管理」「安全管理」「原価管理」「品質管理」の4つです。
この4つを総称して、施工管理といいます。
施工管理の概略を解説するとともに、施工管理のなかで最も重要な安全管理について詳しくみていきましょう。
現場監督の使命(ミッション)は、契約内容に基づき、設計図書とおりに工事の目的物を工期(納期)内に無事故で完成させることです。
そして品質を落とさない範囲で可能な限り経済的に工事を進めることも重要です。
これが施工管理です。
建設工事を完遂させるには、労働力、資材、施工方法、機械、資金といった5つの手段が必要です。
つまり施工管理とは、この5つの手段を適正に管理することでもあります。
施工管理は、以下の4つの管理に分解することができます。
建設工事では、着手する前に必ず工程表を作成します。工程表は、納期期日(完成日)に工事が終わることを証明する根拠になります。
現場監督は、工程表とおりに工事が進行しているか確認するとともに遅れたり早すぎたりしたら調整していきます。
例えば工事が工程表より遅れても、手抜き工事をすれば簡単に挽回できます。つまり品質管理と伴わない工程管理は無意味なのです。
そこで現場監督は、現場の作業員たちが決められた工法で仕事をしているか、定期的に確認しなければならないのです。
だからといって、もちろん労働力や資材などを買いたたくことは許されません。
そうではなく現場監督は、工程管理を徹底することで無理と無駄をなくしコストダウンを進めなければならないのです。
例えば作業員の手配でも、不要なときに作業員を手配しないようにして、必要なときに作業員が足りないことのないようにしなければなりません。
また、段取りや準備を徹底することで1日の作業が定時で終われば、残業代を支払わなくて済みます。
さらに、重機をレンタルする場合でも、1日借りる場合と半日借りる場合の価格を調べたり、
現場の進捗状況を見極めたりして発注することで、コストを抑えることができます。
安全管理は最も重要なので、さらに詳しくみてみましょう。 安全管理とは
事故が起きたら、どれほど素晴らしい建物や土木工事が完成したとしても、成功とはいえません。
建設工事では、無事故で完了することが何より優先されます。
しかし建設現場ほど事故が起こりやすい場所もありません。しかも建設工事での事故は大ケガや死亡につながりやすいのです。
そこで現場監督は、機材の点検、工法の確認、作業員の健康チェック、危険予知運動、ヒヤリハット運動、5S(整理、整頓、清潔、清掃、しつけ)運動、朝礼などを通じて、
「事故の芽」を摘(つ)んでいかなければならないのです。
どれも工事の効率性を落とすことになるかもしれません。作業員たちが「面倒」と感じるかもしれません。
しかし現場監督が安全管理の手を緩めたら、事故リスクは高まってしまいます。
そのとき現場監督の判断の「軸」となるのが施工管理と安全管理なのです。
建設において極めて重要な役割を担っていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。